お月様にあいたくて

闇夜の砂漠で月を待つ。 それが日常。 たまには、こっそりひっそり毒でも吐こうか。

思い出

努力と結果 その2

もう一人の営業君の話。

私が今の会社に入る3ヶ月前、その営業君は採用されていた。

この営業君は私より4歳下。
この子も、見た目の良い人で取引先の女性受けもよかったみたい。

性格も良い子だと思っていた・・・

が、数年一緒に仕事をしていて、時々アレェ~?と思うことが起こり始めた。

なんというか、年功序列好き、男尊女卑の自信家でした。

まあ、私は職種が全く違っていたので、営業君に仕事の指示をされることはありませんでしたが
工場では、仕事の出来ないアホなオヤジのご機嫌をとりつつ、
仕事をテキパキこなす女性達には、尊大な態度をとるクソ野郎でした。

そして、先輩の営業(亡くなった彼です)に暗いライバル心を持っていた模様。

先輩の彼が退職するとき、「先輩の取引先は、僕が引き継ぐことになりました。」
そう言って、取引先へ一緒にご挨拶に行ったりしていたけど…

ん?ちょっと疑問でね、社長に聞いてみた
私「取引先の引き継ぎ、決めた?」
社長「まだ。多分俺が行く。ナゼ?」

やっぱりね・・・
先輩の営業が担当していたところは、我が社にとって重要な会社ばかりだったから。
なので、営業君の担当はほんの数件増えたのみ。

が、先輩の営業が辞めるとすぐに、営業君の時間外勤務が始まった。
まず、営業先からの帰りがグーンと遅くなった。
そして、退社時刻も7時→8時→9時→10時→時々翌日。と、グーンと遅くなった。

それに伴い、営業君の時間外手当が大暴走。(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?
でも、仕事の内容に全く見合っていないって、どゆこと?
いや、営業君なりに頑張っているに違いない。
そう思いつつ数ヶ月、営業君が残業を続けるのを見ていた。

でもねぇ、毎日のように10時・11時過ぎまで会社にいては、
この営業君も潰れるんじゃないかと思い始めた。
で、社長に言ったのよ。「オーバーワーク。早く帰してあげたら。」って。

と、社長の返事。
「仕事なんて増やしてないぞ。
 大体、俺が事務所にいると工場に行き、俺が工場に行くと事務所に戻る。
 なんのためにいるのか、さっぱり分からんのだから。」

はあ、、、私も思うとりましたわ。
営業君、時間外手当と自分の存在感を示したいんだって。
でもさあ、有りもしない仕事を「やってるぞ」アピールされてもねぇ・・・

社長も、そのうち落ち着いたら早く帰ると踏んでたらしいけど
半年以上経っても営業君は変わらず会社に居残りを続けた。
そしてついには、8時までに帰るよう指示され、固定給にされてしまった。

営業君。アホなのかバカなのか?
ただ、意味不明の努力をしていたのだけは確か。
なのに、その条件を素直にのむことをどうして出来たのか・・・

それ以降、営業君は8時には帰宅するようになりましたとさw
って、やっぱ無駄に会社に居残ってただけって、バレバレやないかぁ(゚∀゚)アヒャヒャ
舐めたまねしくさって、ブツブツ。

でもさあ、あの時労基局が会社に来たりしたら、
我が社はブラック企業ってことになってたんだろうね。

会社としては、本当に迷惑な営業君の努力だった。


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脳天気な孫と、ボケた祖母w

そのころ私は一人暮らしをはじめていました。
用がなければ実家へ帰らないのは今と同じ。
だからサンダーバード事件のことは知りませんでした。

季節が変わってしばらくしたら、ばあちゃんは再び入院をしました。

「ばあちゃんがこちるに会いたがっている。見舞いに行きなさい。」
実家からの命令でしぶしぶ見舞いに行きました。
お見舞いに柿を買っていったので、季節は秋だったのかも知れません。

病院のベッドの端っこに祖母と並んで座り、どんな話しをしたのやら。

と、祖母が話し始めました。
「車に轢かれて身体がバラバラになってしまった。
 それを病院の先生がくっつけてくれた。」

ブラックジャックのピノコかいな?なんともファンタジーなお話し。

そして私は脳天気。
「ふーん。」としか思いませんでした。

祖母は話しを続けます。
「背中の肉は洗面器いっぱいあった。それを先生が丁寧に貼り付けてくれた。
 ひどい傷が残っているから、見たら分かる。」
シャツの裾をめくって、私に背を向けるばあちゃん。

どれどれと見てみたら、背中には湿布を剥がしたあとの白い筋がいっぱい。
でも皮膚はかぶれもなく綺麗だった。
「うん。キレイだよ。湿布の跡だけ、傷もないみたい。
 ばあちゃん、綺麗な肌してるねぇ。」

でも、湿布を貼っていたのだから、どこかが痛いのだろう。
「痛かったの?今も痛いの?」

「いや、今はそんなに痛くない。そうか、治ったか・・・」
と、とても嬉しそうにしていました。


実家に帰って見舞いの報告をしたとき初めてサンダーバード事件の話しを聞かされました。
えっ! えっ! えぇ~~っ!となりました。


でも、私の見舞いの後、ばあちゃんは「殺されそうになった」話しをしなくなったそうです。

みんなね、ばあちゃんがその話をすると「そんなことはなかった!」とか
「バカなことを言うんじゃない!」と叱っていたらしいのです。
完全否定をされて、ばあちゃんは納得できずにかたくなになってしまったのね。

私だけが否定もせず、傷口(無いんだけどw)を見て
完治していると話してくれた。痛くないの?と気遣ってくれた。
それで心底満足したらしいのよね。

祖母と私のピンぼけな会話は、見事な着地を果たしたってこと?

歳を取ってボケてしまっても、話しは聞いて欲しいし、理解して欲しかったのでしょうね。
転んだときに背中を強く打って本当に痛い思いをしたのでしょう。

介護されるようになったら、人はとても孤独になるのかも知れません。
意のままに動けなくなった上に、わずかな会話で、否定と叱責ばかりされ続けて辛かったのでしょう。

というのは、後付けの解説。

私は「フゥ~ン」と脳天気に祖母と話しをしただけという話しなのです。




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嫁オバの災難

前記事で、笑い話的に書いたサンダーバード事件の続き。

車に乗り込もうとして、車の下に滑り込んでしまったばあちゃん。

ただその時、ばあちゃんが感じた恐怖はハンパでなく、
飛んでもない錯覚を脳に刻み込んでしまいました。

『嫁に車で轢き殺されるところだった』

ばあちゃんにしてみたら、「退院だ。ワーイ」とスリッパのまま外に出て
車のそばに立っていたはずが、気づけば車の下。
タイヤは目の前。

もがくばあちゃんを救出するにも、足下が悪くて、嫁オバも母も四苦八苦。

そこで『嫁が私を殺そうとしている!』と確信してしまったらしい。

それを会う人ごとに話す祖母。
広がる噂。

その噂話を信じたオバからの電話に驚く母。
「いやいや、それは違うから。私もそこにいたから・・・カクカクシカジカ。」
「まさか! ばあちゃん、そこまでボケが進んだか…」と、オバ達は驚く。

「ハハ子さんのおかげで、誤解されずに済んだわぁ。」と嫁オバから感謝される母。
たしかに目撃者がいなければ、嫁オバは殺人未遂の容疑者になってたものね。

そんなわけで、とりあえず身内での誤解は解けたとしても、
ばあちゃんの近所での噂は消えたりしない。

気丈で賢かったばあちゃんが、ボケていると思った人はいなかったみたい。
それに話しが飛躍しすぎてて、かえってリアルに感じた人も多かったのかも。
「もしかしたらあの嫁……」

嫁オバもかなり勝ち気な人だったので、そう見られちゃったのかも…
にしても、殺人未遂はないだろう!

とんだ災難である。

まだらにボケた頭に焼き付いた恐怖の記憶は修正不能?

ところがある時を境に、ばあちゃんはその話をしなくなりました。

それはね。。。少し笑えます。

続きます。




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サンダーバード2号。。。出動!

当時は笑い話じゃなかったけど、今となっては、な、お話しですかね。
私の中では『サンダーバード事件』と呼んでおります。

まずは、サンダーバード2号の初出動の様子をご覧下さい。
タッタラタァーン タラタッタッタッタラッタッタタァーン♪♪


母方の祖母が亡くなったのは、私が20代の頃。

ちなみに、父方の祖母は「おばあちゃん」。母方の祖母は「ばあちゃん」と
呼び方を使い分けておりました。

とても気丈でしっかり者だったばあちゃんも、いつの間にかボケてしまいました。

といっても、母方の祖母とは年に数回しか会わないので、
ボケの経過がどうだったのか、私はよく知らないのですが…

ある年の冬、ばあちゃんは何かの病気で入院しました。
お嫁さんが付き添えない日は、娘である母達姉妹が交代で付き添いに行っていました。

母の姉妹は全部で4人。
母以外はとても個性的で、同じ親から生まれたとは思えないラインナップ。

4姉妹の中、ばあちゃんが一番信頼していたのが母でした。
他のオバ達は付き添いを頼まれても、一人ではイヤだと言っていつも母を呼びつけていました。

夜の病院て恐いもんねぇ~。
付き添う相手は、まだらボケの婆さんだしね。
ばあちゃんは、母の言うことは聞くのに、他の娘達の言うことにはイマイチだったしね。
その気持ちは分かるけど、付き添いに付き添いがいるってのもおかしな話しw

「自分の親の付き添いが、なんで恐いんだ?」
そう言いながら母はオバの付き添いに付き合っていました。


雪解けの頃、祖母は退院しました。
その退院に、嫁オバさんからのリクエストで付き添うことになった母。

病院の玄関で靴を履いているとき、祖母がスリッパのまま外に出て行こうとしている。
母「あ。靴を履かせなくちゃ!」
嫁オバ「別にいいよ。すぐ車に乗るから。」

(この嫁オバの判断が、後々嫁オバを地獄に落とす。)


車はセドリックだったかクラウンだったか、大きな乗用車だった。
そして、嫁オバがドアを開けた時、祖母の姿はなかった(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?

踏み固められた雪は氷のようにツルツルで、病院のスリッパも底はツルツルで…
ばあちゃんは見事に車の下に滑り込んでしまっていた。

タッタラタ~~♪ もう、サンダーバード2号出動!って感じね。

嫁オバと母で車の下から祖母を引きずり出し、ようやく自宅に連れ帰ったそうです。

以上がサンダーバード事件?です。
ここまではちょっと笑えるんですがね、この後は笑えないことになりました。

年寄り相手に油断は禁物。

ただ、長くなるので今日はここまで。


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