兄が定年になって数年。
定年になっても、嘱託としてかつての職場に勤務している。

肩書きなし、給料は大幅ダウン。という待遇。
第一線を退いての仕事は、日々チョビチョビと整理する事務系の仕事で
以前のような、ドーンと来た仕事をガッシガシこなすことはもうない。
そして、65歳になれば完全に退職となるらしい。

そうなってから、兄は実家の手伝いにしょっちゅう帰っているようだ。

「もう、家業をたたむつもりでいたんだけどね。何を見出したんだろうねぇ・・・」
実家の家族は当惑していた。

父とのソリが合わず、家業を嫌って出て言った人が、今更?なのだが
本人はかなり本気らしいのだ。

実家はその対応に困っているらしいのだが、今は様子見の状態。

私は、もう実家に帰る気はないので、
「好きにさせたらいいけど、あなたの人生も巻き込まれるのは考え物だね。」
と、言っている。ついでに、
「私は爺様や婆様の世話を一切してないし、口出す権利はないから
 好きにしたらいいよ。」
「いざとなったら、家においで。あなたの部屋は用意してあるから。」
「ただし、兄たちのことは知らないけどね。」
と、伝えてある。

実家は「まあ、どうなるか分からないけど、しばらく付き合ってみるわ。」
と、言っている。
ダメ元なんだから、よい方に転がれば大団円さ。

………………

そんな実家からの小さなグチ。

“60も過ぎて、何を思ったか『自己実現』に燃えている。
付き合わされる方は、たまったものじゃない”

“嫁も連れてくる気らしいが、ど田舎で何もないところじゃ楽しみもない
都会育ちの人に、田舎暮らしを強いるつもりなんだろうか?”

『自己実現』に目覚めた兄は、全家族の迷惑に近いものがあるのだが
本人は新たな生きる場所を見つけたらしく前向きだ。

男のロマンってヤツですかね?

………………

先日、兄嫁から電話があった。
地震の状況など話しながら、兄の話もでた。

兄嫁 「(兄)本人の意志がそちらを向いてるなら、仕方ないと思うんだけどね・・・」

私 「まあね、本人の意志も大切かも知れないけど、お姉さんの意志も大切だよ
    どんな仕事も簡単にはもうからない。
   売値で儲かった気分になっても、経費を引いたらトントンてこともある。
   トントンてことは、自分の給料は稼げてないってことだから、厳しいよ。
   ご飯を食べるのに、借金をすることになる。
   そういうことを踏まえて、自分の意志をしっかり持ってね。」

………………

兄夫婦は仲が良いみたいだ。
兄嫁さんは、『自己実現』に目覚めた夫を応援しようとしている。

だが、夢と現実は違うのよ。

まあね。兄の『自己実現』が、実家家族ありきってことが実態だから
自力で『自己完結』できないくせになぁ~~~~~
なんて思って、私は白けた視線で見てしまう訳だけど・・・

まあ、経済的なゆとりのある兄のことはどうでもいい。
私は夢など見ずに、目の前のおまんまを美味しく食べる努力をしよう。

『自己実現』などクソ食らえで、私は現実を生きるのさ。




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