店じまいをするにあたって、社外の人と会うことが増えた。
この会社に勤めて早30年。
昔はただの事務員だったはずだけど、今はもう会社&社屋の生き字引のような私。

積み重ねた経験と知識は社長だとて及ばないのだ。エッヘン!
なーんてね。
30年もの間、くっそ安い給料で駆けずり回ってた社畜ってだけなんですがね。

……………

設計士が来る。水道屋が、電気屋が、よく分からない業者さんが。
一体何人来てるのよ?
4人。だったらスリッパ足りるわね。
って、気がつけば人数が増えてるんですけど…

お茶を出す間もなく(という以前に湯飲みが足りない。)
平面図やら配管図やら配電図やらをおっぴろげて、あーたら、こーたら。

主役の社長を押しのけて、生き字引がガンガンガシガシ対応いたします。
というのも、亡くなった前の社長の時代のことを今の社長は知らないから。

一応、その時々に社長には話してはいたけど、
そのころ社長は興味を示さず、こまかな対応は私に丸投げ状態だった。
そんな訳で社長が対応しきれないのは仕方がないのよ。

  ※というのはタテマエ。
    怒ってますよ。私。
    「てめえの資産管理ぐらい、てめえでしろよ!」ってね。
    言葉にはしませんけどね。

経過~結果→→→要望。

ニコニコしながら、ガンガンバリバリお話しをすすめる。
もう業者さんにしてみたら、こいつナニ? 持ち主はダレ?って感じですわ。

………………

業者さん達が帰ってスリッパや資料を片付けてお茶をすする。

フゥー。・・・・なんだろう。この感覚。

何か違う。

『私はかつてこんな子ではなかった』という自己嫌悪。


フワフワと降る雪が、長い年月で分厚い氷の河となるように
フニャフニャと泣き虫だった私も、こんなふうに変身してしまったか。

なんかねぇ、それが悪いことだとは思わないのだけど
なんか、私が思ってた私と違いすぎて、今はなんとなくへこんでいる。



にほんブログ村