営業君は電話を取るのが好きだった。

実に詳しく用件を聞く。例え社長担当の得意先であろうとも。
そして、「では、担当のモノから、電話させます。」って・・・

おいおい。先方さん、担当が社長だって知ってますがな。
てか、社長宛の電話だよね。
それなのに、従業員が社長を『担当のモノ』って、言わないよなぁ~
社長に、電話『させる』って、どのようなお立場でものを言っているのか。

でもって、メモ書きみじか過ぎねーかぁ?
確かに、社長が電話をかけ直せば、済むっちゃ済むけどね、
あんなに長たらしく、用件を聞いていたのにさぁ。
「このメモの意味がわからないんだけど?」そう聞かれる私の身にもなってくれ。
社長も直接営業君に聞けばいいのに…ブツブツ

フーッ。
だが、営業君は電話を取るのが好き。

ある日、社長がそばにいるのに、しっかり用件を聞いてから
「担当のモノと変わります。」て・・・
はあ。。。さすがに社長から注意を受けておりましたわ。
でも、社長がいなけりゃ元の木阿弥~♪ 
相変わらず「担当のモノ」だとよ。
おめーは、社長よりも偉いのか? ナニサマのつもりよ?

で、別のある日、電話を受けた営業君。
帰って来た社長に
「元、○○(得意先)にいた人が、今は同業他社にいると電話がありました。」と。
社長「なんて名前の人?」
営業君「あ、聞いたんですけど、聞き取れませんでした。」
社長「じゃあ、今、どこに勤めてるの?」
営業君「・・・・聞いたんですが・・・忘れました。」

打つ手なーしっ!


それでも、営業君は電話を取るのが好き~♪♪♪
ワンコールが鳴り止む前にマッハで受話器を手にする。

またまたある日、営業君が張り切って電話を取りましたがな。
どうやら社長への電話らしいが、社長は外出中。
うーむ。しどろもどろだが、大丈夫か?

電話を切って間もなく、再び鳴った電話を今度は私が取った。ヾ(=^▽^=)ノ

と、先ほどの得意先。
「あのー、さっき電話に出た人、用件が分かってないみたいで…大丈夫でしょうか?
 かくかくしかじか、と、社長に伝えて下さい。」

一応ね、「大丈夫ですよ~♪。ご安心下さーい♪」と明るくお応えしたけどさぁ。
どーするよぉ~。恥ずかし過ぎねーかぁ。。。

そして、決定打。
営業君が、ひどく回りくどい話しを終えて電話を置いた。
なにやらブツクサ文句を言っているが、私は知らんぷり。
で、次の電話を私が取った。

あ。さっき営業君と話していた人? 
営業君と変わる間もなく、えらくご立腹のようすでまくしたてる。
「さっき、営業君と話したんですけどぉっ! あの人ナニ言ってるのか分からないっ!」
えーっ。?q|゚Д゚|p

そのストレートな言い方に、度肝を抜かれる私。
幸い営業君はそばにいないが、お得意先の女性は、営業君をクソミソに言っている。
ハァ~、さすがに「そうですね。」とは言えません。

営業君。さっき、そばで聞いていても意味不明な感じで話してたけど
お得意先の女性には、理解不能だったということですか。

「申し訳ございません。」を連呼しまくって、最終的には、
「では、以後、私が責任を持ってお話しをうかがいます。」
と、言わざる得ない状況。

へえ、そのことを知らない営業君に、私は一層嫌われることとなりました。
まさかねぇ、あなた。言える?
「あの人日本語話せるの?」って、言われたと。


営業君。それとは知らず、相変わらず電話を取るのをやめてくれない。
それどころか、パートの若い子が先に電話を取ると睨みつけたりする。

で、私は、電光石火で電話をとるという、芸を身につけましたとさ。
営業君に睨みつけられても、気にしなぁ~い。

この攻防は、営業君が退職するまで続いたのです。



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