昔、母方の祖母が入院していたとき、母が見舞いに行くと
「こちるにおぶってもらって、こちるの車で家に帰る。」と言われたそうだ。

ナゼニワタシ?

大人になってから、祖母と会うのは1年に1度あるかないか。
それに、私が祖母を車に乗せて運転したことなど1度もないのに。

そういえば冬の間、私の車は実家に置かせてもらっていたので
おそらく祖母を私の車に乗せたのは、実家の家族なのだと思う。

ボケの始まった祖母の記憶が、私の運転にすり替わってしまったというわけ。

私「どうして私がおんぶするんだろうねぇ。たくましいからかねぇw」
母「ハハハ。確かに。それより、家に帰るって言うのがねぇ・・・」
私「??? まあ、どうして私が家に送り届けるのかはフシギだね。」
母「ん?違うよ。家ってのはウチのことだよ。」

はあ~?
祖母は、私の母がいる、私の実家に帰りたかったのです。
それって、帰るっていうのとは違うのだけど・・・

従兄は我が儘放題で育てられました。
嫁オバは一人息子に激甘で、何ごとも従兄優先でいたため
立派な思いやりの「ない」大人になってしまいました。

あるとき、掃除をしている祖母の雑巾をひったくり、祖母に投げつけたことがあったとか。
「あいつなら、やりかねないねっ」と、みんなが納得できるバカな従兄です。

嫁オバの子育て、間違ってたんじゃね?

嫁オバがどんなに
「ばあちゃんには、ずいぶん尽くした。
 趣味や旅行にお金がかかったし、いつも送り迎えもした。」
と言っても、祖母を大切にする気持ちはなかったのだと思いますがね。
出来る嫁の思い込み?

見栄と義務感が透けて見える優しさなんて、
偽物だと惚けた祖母は感じていたんだろうな。

「あれもしてやった。これもしてやった。」
嫁オバは、おとなしく話しを聞く母に、恩着せがましく自慢していたけど
「家に帰る」のウチがよその家って言われてたの知らないのね。

サンダーバード事件は、起こるべくして起こったのかもね?

母にあって嫁オバにないもの。
それは、血のつながりだけでなく、相手を思いやる心だと思うのです。

あ。それで私ですが、惚けた祖母のおかげで、優しいってことになっています。
祖母もあの世で舌打ちしていることでしょう。
「チッ! こちるじゃなかった!」



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