さすがに雪はとけた。そんな気がする。

朝はギリギリまでベッドに貼り付き、シャワーを浴びたら生乾きの髪で部屋を飛び出す。

ああ、またゴミを出せませんでした。

さすがにねぇ、生ゴミだけは出してるけど、資源ゴミがねぇ~
昼休みに帰ったときに出すつもりでいたら、私を追い越していく回収車の後ろ姿。

チッ!

日は確実に長くなっているのに、明るいうちに帰れない。
空は見るけど、景色は見ない。
どんな歩き方してるんだか?と、自分で思う。

寄り道も嫌いだしね。

とか言いながら、昼休みに会社に戻る途中で、友だちの玄関先に侵入。

暖かな日差しを浴びて、吠えている犬一匹。
23-07 ラブ2


近づいたときには、地面の匂いを嗅いでいた。
最近、耳が遠くなったせいで、私の足音に気づかない。

愛くるしさはそのままに、いつの間にかおばあちゃんになってしまったのね。

私に会いに、何度も脱走して来てくれた日がなつかしいw

もう少し暖かくなったら、ヌコが凍え死ぬ心配がなくなるので
必ず散歩に迎えに来るから。
そんな約束をして会社に戻った。


ねえ、私達、いつまでこんなふうに無邪気に戯れていられるんだろう。

これから何度、春を迎えられるのだろう。

この子の先代の犬は、私の大親友だった。
友だちの庭に咲くクロッカスの花。

今年もまた、心の中で話しかける。
「エル。春が来たよ。」