4年前の今頃、高校の同級生から電話がかかってきた。
何年ぶり? 多分、20年ぶりくらいかな。

地元に就職した別の同級生が、なにやら役職に就くそうな。
お祝いの会をするけど、お前もどう?
無理、行けないよ。

昔話をするでもなく、田舎にいる子たちの話を聞いて
もの凄く太った話しをして、それくらいだったかな。
特に懐かしいわけでもなく、帰りたいわけでもなく
電話を切った。

その時、フッと何かが浮かんで消えた。
とらえ所のない感覚。

あぁ。。。もう、私は田舎に帰らないんだ。

歳をとって仕事を辞めたら、田舎に帰るのだろう。
漠然とした思いが、フワリと消えた。

私の老後はどこに住む。

無職の高齢者に世間は冷たいって言うしな。
路上生活はできそうにないよな。
居場所を確保しなくちゃ。

そろそろ真面目に考えよう。

懐かしいはずの同級生からの電話で、
私の心は田舎から離れた。